建設現場や工場などから排出される産業廃棄物。その収集・運搬を行うには、多くの場合「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になります。
しかし、事業者の方からご相談を受ける中で、「処分はしないから許可はいらないと思っていた」「自社のトラックで運ぶだけだから問題ないと思っていた」という声を耳にすることがあります。
今回は、産業廃棄物収集運搬業許可でよくある勘違いについてご紹介します。
「運ぶだけ」でも許可が必要
産業廃棄物は、事業活動によって生じた廃棄物です。
排出事業者が自ら運搬する場合を除き、他人から依頼を受けて産業廃棄物を運搬する場合は、原則として産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。
例えば、
- 解体工事で発生した廃材を別会社が運搬する
- 建設会社から依頼を受けてがれきを処分場まで運ぶ
- 工場から排出された廃プラスチック類を運搬する
このようなケースでは、収集運搬業許可が必要になる可能性があります。
「処分をしないから許可は不要」というわけではありません。
許可を取得して終わりではない
許可取得後も、適正な運営が求められます。
例えば、
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の適切な管理
- 委託契約書の締結
- 許可証の更新(通常5年ごと)
- 車両や運搬容器の適切な表示・管理
これらが不十分な場合、行政指導や処分の対象となることがあります。
他府県で運搬する場合にも注意
意外と見落とされるのが、許可の有効範囲です。
産業廃棄物収集運搬業許可は全国共通ではありません。
例えば大阪府で許可を取得していても、兵庫県や京都府で収集を行う場合は、それぞれの自治体の許可が必要になるケースがあります。
関西圏で事業を拡大する企業では、この点を見落としていることも少なくありません。
許可要件も事前確認が重要
許可申請では、
- 講習会修了証
- 適切な車両
- 経理的基礎
- 欠格要件に該当しないこと
など、様々な要件を満たす必要があります。
書類の準備には時間を要することも多く、講習会の日程によっては許可取得まで数か月かかることもあります。
事業開始時期が決まっている場合は、早めの準備が重要です。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可は、取得することがゴールではありません。
適切な契約、マニフェストの管理、更新手続きなど、継続的な法令遵守が求められます。
「このケースでも許可が必要なのか」「他府県でも事業を始めたい」「更新時期が近づいている」といったお悩みがありましたら、ぜひ弊所にご相談ください、スムーズな事業運営につながります。
許認可は事業を守るための重要な土台です。適切な手続きを行い、安心して事業を発展させていきましょう。
舩木
