海の上の環境ビジネス

産業廃棄物運搬船という支える力

 

各自治体が公開している産業廃棄物処理業許可申請の手引きを読むと、

「運搬車両または運搬船舶」などという言葉が出てきますが、

船舶を使ってのの許可申請なるものが本当に存在しているのか疑わしいと思われる方がほとんどでしょう。

 

私たちの町では、毎日たくさんの建物が建ち、工場が動き、物がつくられています。

その裏で、必ず出てくるものがあります。それが「産業廃棄物」です。

 

こわしたビルのがれき。

工場から出る汚泥。

焼却した後の灰。

 

これらは放っておくことはできません。

どこかへ運び、きちんと処理しなければなりません。

 

日本は島国。

大都市の近くには処理施設が足りないこともあります。

そのため地方の処理施設へ大量輸送する必要があります。

 

そこで活躍するのが、産業廃棄物運搬船です。

 

船は一度に大量の廃棄物を運ぶことができます。

トラック何十台分もの量を、海を通って安全に運びます。

しかも、同じ量を運ぶなら、トラックよりも環境への負担が少ないのです。

 

この仕事はただの「ごみ運び」ではありません。

実は、安定したビジネスでもあります。

 

なぜなら、工場や建設工事はなくならないからです。

景気がよくても悪くても、廃棄物は必ず出ます。

つまり、仕事がなくなりにくい分野なのです。

もちろん、誰でも簡単に始められるわけではありません。

日本では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律

という法律に基づく許可が必要です。

さらに、海で運ぶためには海上運送法

などのルールも守らなければなりません。

つまりこの仕事は、「環境法 × 海事法 」 が交差する超高度な専門分野なのです。

 

そもそも産業廃棄物を海上で運ぶということは、

廃棄物処理法 海上運送法 港湾運送事業法 船舶安全法

といった複数の法律が重なり合う世界に入ることを意味します。

言い換えるならば、産業廃棄物運搬船は  

 

「許可のかたまり」

 

ですが、許可産業=守られた市場という競合の少ない側面があります。

 

船舶を使う産業廃棄物運搬事業は「環境」と「海事」の両方を理解していなければ成り立ちません。

 

環境ビジネス×海運という掛け算は、災害廃棄物輸送、リサイクル資源輸送そして、脱炭素型船舶への転換今後拡大が予想されます。

 

だからこそ、「環境」と「海事」の両方を理解した

海事代理士✖️行政書士の専門性が生きるのです。(石﨑)