(最終更新日:2026年11月1日)
「一人親方だけど、産廃の運搬も請けられるようにしたい」「軽トラ1台で始めたいが、個人でも許可は取れるのか」。こうしたご相談を、大阪の個人事業主の方から多くいただきます。
結論から言うと、個人事業主でも産業廃棄物収集運搬業の許可は取得できます。法人である必要はありません。ただし、個人ならではの注意点がいくつかあり、特に「近いうちに法人化するかもしれない」という方は、取る順番を間違えると費用と時間を二重にかけることになります。
この記事では、個人事業主が許可を取るための要件、費用と期間、そして法人化前に知っておくべきことを解説します。
そもそも許可が必要になるのはどんなとき?
許可が必要なのは、他人が出した産業廃棄物を、お金をもらって運ぶときです。
反対に、自分の事業から出た廃棄物を自分で処分場まで運ぶ場合は、許可はいりません。ここで注意したいのが建設業の一人親方です。建設工事の廃棄物は、原則として元請業者が「出した人(排出事業者)」になります。下請の立場で、現場の廃材を自分のトラックで運ぶと、「他人の廃棄物を運んでいる」ことになり、許可が必要です。「自分が壊したものだから大丈夫」と思っていると、無許可営業になってしまうことがあるので注意してください。
個人事業主が満たすべき5つの要件
1. 講習会の修了
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の「新規許可講習会(収集・運搬課程)」を、申請者本人が受けて修了証をもらう必要があります。オンラインでの受講もでき、講義のあとに会場で修了試験を受けます。修了証は、新規許可の申請には5年間使えます。
2. 運搬車両と容器
廃棄物が飛び散ったり漏れたりしない車両や容器が必要です。自分名義の車両でなくても、リースやローンで使う権利があれば認められます。車検証と車両の写真を提出します。
3. 駐車場
車両を置く場所を確保します。自宅以外の駐車場なら、賃貸借契約書などで使えることを示します。
4. 経理的基礎
事業を続けられるだけのお金の土台があるかが見られます。個人の場合は、直近の確定申告書や資産の状況を記載した書類などを提出します。所得が赤字続きの場合は、追加の説明資料を求められることがあります。
5. 欠格要件に当たらないこと
一定の法律違反で処罰を受けてから一定期間が経っていない場合などは、許可を受けられません。本人の住民票や、成年後見等の登記がないことの証明書などで確認されます。
費用と期間の目安
| 項目 | 金額・期間の目安 |
|---|---|
| 大阪府への申請手数料(新規) | 81,000円 |
| 講習会の受講料 | JWセンターの受講料(受講形式により異なります) |
| 行政書士法人SUNの報酬 | 110,000円〜(税込) |
| 講習会の申込みから修了証の受け取りまで | 1〜2ヶ月程度(日程による) |
| 申請の受理から許可まで | 2ヶ月 |
講習会の日程は早めに埋まることがあるので、許可を取ると決めたら、まず講習会の申込みから始めるのが近道です。講習会を受けている間に、車両や書類の準備を並行して進められます。
どこの許可を取ればいい?
収集運搬業の許可は、廃棄物を積む場所と降ろす場所の両方で必要です。
大阪府内で積んで大阪府内の処分場に降ろすなら、大阪府知事の許可で府内全域をカバーできます(積替え・保管をしない場合)。一方、大阪で積んで兵庫県の処分場に運ぶなら、大阪府と兵庫県の両方の許可が必要です。取引先の処分場がどこにあるかを、申請前に必ず確認しておきましょう。
法人化を考えているなら、順番に注意
個人事業主として取った許可は、法人を作っても引き継げません。法人化した時点で、新しい法人として新規許可の申請をやり直すことになり、申請手数料や準備の手間がもう一度かかります。
1〜2年以内に法人化する予定があるなら、先に会社を作ってから、法人として許可を取るほうが結果的に安く早く済みます。行政書士法人SUNでは、会社設立と産廃許可をまとめてお手伝いしています。
「一般廃棄物」の許可とは別物です
ご相談の中には、家庭ごみや飲食店のごみの回収を考えている方もいます。これらは「一般廃棄物」といい、産業廃棄物とは許可の種類も申請先も違います。一般廃棄物の収集運搬は市町村の許可で、新しく許可を出していない市町村も多いのが実情です。「何を運びたいか」で必要な許可が変わるので、迷ったら早めにご相談ください。
許可を取った後に必要なこと
許可の有効期間は5年で、続けるには更新が必要です。また、車両を増やしたり入れ替えたりしたときは、変更届を出す必要があります(詳しくは「収集運搬車を増車する時は変更届を」の記事をご覧ください)。期限の管理には、LINEで更新日をお知らせする当法人の無料サービスもご利用いただけます。
まとめ
個人事業主でも、要件を満たせば産廃収集運搬業の許可は取得できます。ポイントは、講習会を早めに申し込むこと、積む場所と降ろす場所の両方の許可を確認すること、そして法人化の予定があるなら先に会社を作ることの3つです。
「自分の場合、許可が必要か分からない」「法人化と許可、どちらを先にすべきか迷っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。
