中間処理施設の計画で、取り返しのつかない失敗になりやすいのが土地選びです。広さも価格も条件に合う土地が見つかっても、法令の規制や周辺の環境によって、そこには施設を設置できないことがあります。土地の購入や賃貸借の契約を結んでからでは、計画の変更は簡単ではありません。この記事では、土地を決める前に確認しておきたい3つの視点を整理します。
視点1:都市計画(用途地域・区域区分)
土地には、都市計画法によって用途地域や市街化区域・市街化調整区域などの区分が定められています。
| 区分 | 中間処理施設との関係 |
|---|---|
| 工業地域・工業専用地域 | 処理施設の立地が検討しやすい地域 |
| 住居系・商業系の用途地域 | 建物の用途や規模の制限が厳しく、設置が難しいことが多い |
| 市街化調整区域 | 原則として建物を建てにくく、開発の許可などのハードルが高い |
| 都市計画区域外 | 都市計画法の制限は少ないが、ほかの法令や周辺環境の確認が必要 |
まずは土地の所在地の用途地域と区域区分を、自治体の都市計画図で確認しましょう。
視点2:建築基準法上の取扱い
一定の産業廃棄物処理施設の用途に使う建物は、建築基準法により、都市計画区域内では原則として、都市計画で敷地の位置が決定されている場合でなければ建てることができません。例外として、特定行政庁が都市計画審議会の議を経て許可する手続きなどがありますが、時間がかかり、必ず認められるものでもありません。
この規制の対象になる施設かどうか、対象になる場合にどの手続きが必要かは、計画している処理の種類と規模によって変わります。建築の専門家とも連携しながら、早い段階で確認しておく必要があります。
視点3:周辺環境と地元との関係
処理施設の設置許可では、周辺の生活環境への影響を調べる生活環境影響調査が求められます。また、多くの自治体では、計画の内容を周辺の住民や自治会に説明し、理解を得るための手続きを指導しています。
- 近くに住宅、学校、病院、福祉施設などがないか
- 搬入車両が通る道路の幅や交通量に無理がないか
- 騒音・振動・粉じん・におい・排水への対策が取れるか
- 地元の自治会や周辺の事業者との関係はどうか
法令上の条件を満たしていても、地元との調整が進まないために計画が止まることがあります。周辺の状況は、現地を歩いて確認することが大切です。
そのほかに確認したい法令
土地や施設の条件によっては、次のような法令の手続きも関係します。
- 農地法(農地を転用する場合)
- 森林法、砂防法、河川法など(土地の場所による)
- 騒音規制法、振動規制法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法(設置する機械や排出物による)
- 土壌汚染対策法(一定規模以上の土地の形質を変更する場合)
どの法令が関係するかによって、全体のスケジュールは大きく変わります。
土地選びの進め方
候補の土地が見つかったら、契約の前に次の順番で確認すると、無駄な投資を避けやすくなります。
- 用途地域・区域区分の確認(都市計画図)
- 建築基準法上の取扱いの確認(建築の専門家・自治体)
- 関係する法令の洗い出し
- 自治体の廃棄物担当部署への事前相談
- 周辺環境の確認と、地元調整の見通し
可能であれば、売買や賃貸借の契約に、許可が取れなかった場合の取扱いを盛り込んでおくと安心です。
まとめ
中間処理施設の計画は、土地選びの段階で成否の大部分が決まります。用途地域、建築基準法、周辺環境の3つの視点で、契約の前に確認を済ませておきましょう。行政書士法人SUNでは、候補地の段階からの法令調査や、自治体との事前相談をお手伝いしています。
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